Hruska Clinicの推奨する靴リスト

皆様お久しぶりです、PRI講師の阿部です。

最近EmailでPRI講習参加者様から、PRIがお勧めする靴に関しての質問を頂きました。Hruska Clinic®を代表してPRI講師・セラピストでもあるローリ・トムセンが毎年公開・紹介している「PRIの考えに基づくオススメ靴リスト」というのがありますので、今回はその2017年版のリストを日本語にしてシェアしたいと思います。

靴の選択を間違えると、PRIプログラムの効果が瞬く間に打ち消されてしまう可能性があります…が、逆に言えば、適切な靴は驚くようなポジティブな効果をもたらすこともあるのです。1) Control (コントロール): 中側部や踵骨の安定性を向上させる目的で、2) Guidance (ガイダンス): 人間らしい歩行を導く感覚デバイスとして、3) Cushion (クッション): 足が体にもたらす影響を実感するためのクッションとして…目的は患者によって様々かもしれませんが、適切な靴による介入はPRIプログラムの効果を増強してくれる頼もしい味方です。

PRIの講習で「グラウンディング」という言葉が出ることも多くありますが、靴がもたらす様々な効果の中でも、エクササイズや歩行時に足がどういった状態で床に触れているか、それを患者さんに実感してもらうことがPRIプログラム成功のカギになります。普段履き慣れている靴とは異なる、地面から入ってくる感覚入力の違いを強調するため、そして適切な多関節筋連鎖の使い方を学ぶために、Hruska Clinic®が2017年に推奨している靴のリストは以下の通りです。

2017 Shoe List  (2017年版 推奨靴リスト) – PDF

リストにある靴の全てが皆さんの患者さん全員にぴったりだとも限りません。簡単に、ローリが動画で話している、『リストの中から靴を選ぶ際の目安』をお伝えします。

New Balance 1080 V7は中でもローリいち押しの、ユニークな造りの靴です。 この靴の優れているところは足をガチガチに固めるのではなく、3つの運動面全てで足を遊ばせてくれる点にあります。皆さんもご存知のように、PRIでは右足でプロネーションと共に土踏まずをしっかりと感じること、一方で左足は踵と母指を感じることに重きを置いていますが、この靴には「遊び」があるからこそ右と左とでの異なる環境を作ることが可能になります。右にも左にもしっかりと導いてくれる、貴重な靴です。New Balanceから他にも880 V6と860 V7が選ばれていますが、これらは「しっかりとしたフォーム素材の底があるのは素晴らしいが、中足部のガイダンスに欠ける」点から少し低めのランク付けになっています。

Brooks Glycerin 14はPRI足底板との相性が抜群です。New Balanceよりもこの点では優れていますので、患者がPRI足底板を使用している場合はこの靴がオススメです。

Altraブランドの靴はゼロ・ドロップと言われ、踵とトーボックスの高さが全く同じという珍しタイプの靴です。踵にかかるストレスが少なく、他の靴で踵に違和感や痛みを訴えるような患者さん向けですが、同時に踵の接地を感じにくいという問題も起こりえます。この靴を使用する際は、靴無しの状態又は他の靴で患者自身がしっかりと「踵を感じる」という実感を確立してから、徐々にAltraに慣らしていくのが良いでしょう。

PRI歯科・眼科の患者にはクッションカテゴリーの靴をおススメします。クッション性の高い靴を使って床を感じることで首を抑制することが期待できるからです。

足関節の不安定症がある患者は、最初こそコントロール・カテゴリーの靴を使って安定性を与えるのが良いかも知れませんが、3-4か月とPRIプログラムが進むにつれ、徐々にガイダンスに移行し、あえてコントロールを取り除きながら、動きを確立させていくようなアプローチをとることを恐れてはいけません。

これらの情報が、少しでも皆様の靴選びの参考になれば幸いです。このリストはダウンロードして皆さんのお好きなように使っていただいて構いませんが、もしコピーして第三者に配布する場合は資料下部にありますHruska Clinic®の名前と著作権のロゴをそのまま残してご使用していただきますようお願いいたします。

さて、1週間ずれ込んでしまいましたが、年末年始のマイオキネマティック・リストレーション講習会の申し込みは今週末11月4日の午前8時からです。そしてポスチュラル・レスピレーション講習会の申し込み開始は11月11日の午前8時からとなっております。申し込みはこちらのサイトからどうぞ!お間違えのないようお願いいたします。年末年始に皆様とお会いするのを楽しみにしています。

Sayuri Abe-Hiraishi, MS, ATC, CSCS, PRT, PES, CES
2017年10月31日